Princess Loki
  『王国の至宝』と謳われるPrincess Loki。
その瞳はまるで吸い込まれそうに輝き。
誰もがその瞳に映されたいと願う。
  その声は恰も天上の音楽のように響き。
  誰もがその声に名を呼ばれたいと焦がれる。
その肌は玉の如く滑らかで白く。
透き通らんばかりと言う。
  その指は白魚の如き美しさで。
  傅きその御手に忠誠の口づけを、と希う者が後 を絶たぬ。
せめて一目たりとも会いたいと。
どれほど願おうとも叶わぬその想い。

王宮の奥深く、ひっそりと咲く一輪の華。
遠目に眺められるだけで僥倖。
  この世の全ての宝石よりも美しく輝く。
  正に『至宝』の姫。



王国にいた頃、露姫はそう謳われていたようです。
嘘っぱちです。
堅苦しいパーティーとかが大嫌いで脱走を繰り返す露姫に、
ほとほと困り果てて「姫は病弱」と言い張り
たまに出てもベールで顔を覆う(中身は結良だったり)
そんな露姫様の素顔をちらっと見れた吟遊詩人が、
想像を逞しくして謳ったものと思われます。